音更町における長芋栽培は、昭和45年から始まった。
厳選された深い土の中で、静かに養分を蓄えながら熟成されることで、甘さと粘りの強い真っ白できめ細やかな長芋に。
JAおとふけでの長芋生産の歴史は長く、始まりは昭和45年頃に遡ります。
当時、町内3件の農家が栽培を始めましたが、種子は他産地から購入しており、その種子の品質は決して良いものとは言えないものでした。そこで、長芋の蔓に成る果実(むかご)から自ら種子を生産する技術を長い年月をかけ構築し、品質の良い種子生産体制を確立していきました。その品種は「音更系統」と呼ばれ、その種子は7JAから成る「十勝中央青果団地」の基種として供給され続けています。
令和2年産より新品種「とかち太郎」の栽培が開始。この品種は、今までよりも丸味が強く、そして太く収量増加が期待されている品種です。実はこの「とかち太郎」も「音更系統」の中で育ちの良い物を選抜し、生き残っていったものが品種登録されたもの。現在では十勝の長芋主産地の8割方がこの「とかち太郎」へと切り替えているので、JAおとふけから生産された長芋種子は名実ともに「十勝長芋の父」に成長していきました。
JAおとふけでは、長芋種子を生産する農家(以下「長芋種子農家」)と皆様が口にする青果物の生産農家(以下「長芋青果農家」)を完全分離して栽培を行っています。その目的は消費者の皆様に最低限度しか農薬を使用しない状態で作られた長芋をお届けしたいという思いからです。
長芋の生産で長年苦しめられてきたのが「ウイルス病」でした。ウイルス病にかかった長芋を口にしても人体への影響はありませんが、種子として使用すると大きく育たず、農家は大打撃を受ける恐ろしい病気なのです。
長芋種子農家を選任し、徹底管理・徹底防除のもと種子生産を行っていただくことで、ウイルスフリーな種子を生産者ならびに十勝中央青果団地を構成するJAへ供給することができ、長芋青果農家はウイルス病を恐れること無く、生育期間中は殺虫剤・殺菌剤を使用しないクリーンな長芋を生産することができるようになったのです。
首都圏の1都11県をエリアに事業展開しているパルシステムの大人気商品「産直冷凍とろろ」の長芋はJAおとふけ産。年間100tの長芋を冷凍とろろ用原料として出荷しています。
他にも「長芋真空パック」や「鮮度保持フィルム入り長芋」などが全国量販店で採用され、ユーザーより高い評価を得ています。